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開業資金

勤め先から独立して開業・起業する際に不可欠な「開業資金」。給与からコツコツ貯めてきた預金や退職金を自己資金として用いる人は多いでしょう。事業内容によっては自己資金だけで起業するのは難しいケースもあり、特に飲食店や販売店などの店舗を構える業態では初期投資も大きくなるため、金融機関から融資を受けて開業資金を調達することも考える必要があります。

開業資金とは

新しくビジネスを始めるには、「開業資金」としてある程度まとまった資金が必要となります。事務所や店舗の保証金、内装・外装の工事費、備品購入費、登記費用など、開業時にかかる費用は少なくありません。また、開業資金として準備しなければならないのは、事業の立ち上げ費用だけではありません。多くの場合、売上が安定してくるまで数ヶ月から1年ほどかかります。それまでの間の運転資金も開業資金の一部として確保しておきましょう。

開業資金の例

飲食店を例にみると、まず大きな支出となるのが店舗取得費用です。次に、改装費と設備費がかかってきます。店員を雇うための採用費・人件費や、集客のための広告宣伝費も必要です。フランチャイズで開業するならフランチャイズ加盟料や研修費も納めることになります。

開業資金の内訳について

店舗を運営するビジネスの場合

店舗のある事業を開業するには、店舗を借りる際の保証金、不動産会社に対して支払う仲介手数料、家賃の最初の1ヶ月分(前家賃)といった、多額の店舗物件費用がかかってきます。開業時に最も資金を費やす項目で、物件によっては100万円単位の支出になります。内装工事費・改装費も、デザイン性の高い個性的なものにすればそれだけ高額になります。設備費として、業務用エアコンなどの空調設備の設置や、棚や什器の購入に費用が発生します。飲食店であれば、冷凍庫・冷蔵庫、製氷機、シンクやオーブンなどの厨房設備にも大きな費用がかかります。椅子とテーブル、食器類も購入しなければなりません。

無店舗ビジネスの場合

店舗を構えない「無店舗ビジネス」なら、店舗のあるビジネスに比べて起業費用を少なく抑えることができます。店舗を用意する必要がないので、店舗物件費が削減でき、事業内容と規模によっては100万円以内の資金でも開業可能です。低資金・低リスクで独立が実現できるのは無店舗ビジネスの強みです。

ビジネスの拠点としてオフィスを構える場合は、店舗と同様に、保証金、仲介手数料、前家賃といった賃貸費用がかかります。ですが、店舗と違い、集客力のある立地にこだわらなくてもいいので、家賃も低水準に抑えることができます。

どのような事業でも、電話・FAX、パソコン、スマートフォンなどの通信機器・情報機器は必需品でしょう。コピー機やプリンターも、コンビニを利用する手もありますが、用意した方が効率よく仕事を進めることができます。電話やインターネットの回線契約にも費用がかかります。知人の紹介で仕事が入ってくる場合は別として、広告・宣伝も必要となります。

自宅で開業する場合

ひとりで営む事業や小規模ビジネスなら、自宅で開業することも可能です。物件費用なしで始められるため、開業資金を大幅に抑制でき、数十万円といった少額の資金でも開業可能です。人を雇わないなら人件費の支払いも不要です。ビジネスの運転資金として広告費、通信費、消耗品費を見込んでおけば、当面は十分ではないでしょうか。自宅専用のものとは別に高性能なパソコンや電話回線を用意したり、仕事をしやすい環境に自宅を改装したりするなら、その費用を計画しておきましょう。

開業資金の集め方について

自己資金での調達

開業するにあたって、開業資金をどう準備するかは大きな課題です。十分な預貯金を持っていて、自己資金の額が多ければそれに越したことはありません。融資で得た資金とは違い、利子の支払いは不要ですし、返済期日を気にすることもありません。自己資金をどれだけ準備できるかは、その後のビジネス展開にも影響を及ぼします。自己資金だけで足りない場合、融資を受けて資金調達するのが一般的です。十分な資金が貯まるまで起業を待つことも考えられますが、ビジネスにはタイミングも重要です。

公的な融資制度を活用する方法

自己資金だけでは不足する開業資金を調達する方法のひとつに「公的な創業融資制度」の活用があります。無担保・無保証人で利用できる「日本政策金融公庫」の融資制度や、都道府県や市区町村が設ける「制度融資」が公的な融資制度として利用できます。このような公的融資は銀行などの金融機関よりも審査が通りやすく、金利、担保、返済期間といった諸条件も有利に設定されています。ただし、ある程度の自己資金を持っていることが条件になります。開業資金を100%融資で調達することは難しく、創業経費の一定以上の割合で自己資金を準備しなければなりません。自己資金では不足する創業資金を補てんする目的で利用するものと考えるのがいいでしょう。

銀行融資を受けるのは難しい

開業資金を融資によって調達する場合、銀行から融資を受けるのは難しいことが多いようです。銀行での融資審査は「スコアリング方式」の導入が進んでいます。これは、企業情報データベースを用いて財務情報や定性情報を組み合わせて評価する与信判断の方法で、信用格付けに応じて貸付額が決まる仕組みになっています。過去の業績や財務状態が重要視されるので、設立されたばかりの会社にはそういった情報がなく、信用格付けができません。このスコアリング方式の導入が、開業資金への銀行融資を難しくしているようです。

銀行以外の金融機関からの融資

銀行や政府系金融機関以外のいわゆる「ノンバンク」でも、開業資金の融資を行っています。「事業者ローン」や「ビジネスローン」と呼ばれるもので、銀行と比べると金利は高めですが、審査に必要な書類や手続きが少なく、融資実行までの日数も短くなっています。様々なビジネスローンがあり、担保や保証人の有無といった条件も異なっています。所有する不動産を担保に融資を受ける「不動産担保ローン」もビジネスローンのひとつとして、開業時の資金調達に活用されています。

まとめ

開業資金は、立ち上げ段階で使う費用だけでなく、安定した売り上げが入ってくるまでの運転資金も準備する必要があります。ギリギリの資金で立ち上げてしまうと、早い段階で資金繰りに苦労することにもなりかねません。準備する額は業態によって大きく異なりますので、事業計画を立てて、開業資金がいくら必要なのか慎重に試算しましょう。

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